作風

自然に回帰する暮らし

〜発想を都市の自然環境へと広げて。〜

 

かつて建築は緑豊かな自然環境の一部を切り取り(破壊)、そこにはめ込む手法で事足りました。しかし環境破壊が進む今日では、魅力的な自然環境を選択して家を建てることが困難なこととなっています。そこで室内環境を整えるのと同時に外部環境も整備することが必要です。

植栽空間…緑化について
まず、緑化を考えてみましょう。緑化には「敷地内緑化」「壁面緑化」「屋根緑化」などの方法があります。「敷地内緑化」は、地面に植栽することです。「壁面緑化」は建物の外壁面に10p位はなしてネット(ステンレスのワイヤ−やナイロンの網など)を取り付け、そこにツタ類をはわせる方法です。「屋根緑化」は屋根面に人工軽量土を乗せそこに植栽する方法です。これらの方法は、夏では地表・壁面・屋根面の表面温度を下げる事が出来、冬には冷たい風を緩和する役目を果たします。特に壁面・屋根緑化は優れた断熱材となり、真夏の炎天下では屋根の直下階で外気温より5度低くなるようです。この数値はエアコンの基準設定温度に相当します。風さえあればエアコン無しで過ごせる温度です。この方法は木造でも出来ます。ただ、建設コストが少々高くなるのが残念です。
「外廻りのプラン」でもお話ししましたように、各部屋と庭とのつながりは空間の一体感を生みだし、快適でより生活を楽しむ豊かさへと導きます。このような住宅が集まればその街が魅力的になるばかりか、都市の温暖化防止にも貢献することになりますし、雨水の調整能力もありますので最近頻繁に起きる都市型洪水の一助にもなります。

エコロジ−…自然力の活用法
空樂の設計方針の1つとして、「設備に頼りすぎず」と云うのがあります。これは設備の寿命が建物より短いため、いずれ交換しなければならないからです。快適だからといって設備に頼りすぎると、複雑に建物と絡んで、交換の時期や故障の修理時に大変な経済的負担を負いかねないからです。また、ランニングコストの負担を軽減するためでもあります。
これに対して、自然の力それ自体は無料で使えます。上手に取り込む工夫が出来れば良いのです。そこでこれらの方法について考えてみたいと思います。
自然の持つ力には、「太陽熱」「地熱」「風」「雨水」などがあります。「太陽熱」「地熱」は、主に暖房補助システムとしてとらえます。太陽光は物に反射した段階で熱に変わります。これを利用して、部屋の中で発生した熱を家中に分配出来るようにします。熱は上昇気流となり高いところに集まるのを、うまく巡回させるのです。また、小屋裏の暖まった空気やスト−ブ・エアコンからの熱も合わせて使用すれば効果的です。この方法によって、家中均一な温度分布が保てます。また「地熱」は地面の持つ熱(冬の凍結深度より下)が、通年15〜18度と安定していますので冬は暖かく、夏涼しいのです。一階の床下の空気(通常基礎は凍結深度より深く造りますので)を上手に利用したり、半地下や地下室を造れればより有効です。
その他、太陽熱の利用方法として「温水器」や「発電システム」があります。特に「発電システム」は魅力的ですが、機器のコストが少々高く一般住宅向けとは云いにくい感があります。無公害システムですので、この先早く普及出来るようコストダウンになると良いのですが…。
風は云うまでもありませんが、通風です。夏は南から北へ、冬は北西から南東へ吹きます。夏の通風をきちんと得られるように工夫することで、涼しさがかなり得られます。もちろん敷地内緑化により、地表温度が下げられた涼しい風でなくては意味が半減しますが。
「雨水」は、飲料以外で利用できます。トイレの排水や洗車、庭木の水撒きなどです。雨水を溜める器と汲み上げるポンプがあれば、比較的簡単に出来ます。

建物の耐久性…本来人より長寿命
木は加工された段階から、育つのに要した時間分の耐久性があると云われています。通常柱で60年ものを使用します。すると建物は60年の耐久性がなければなりません。空樂は、建物(木造に限りませんが)の寿命を最低60年、出来れば100年の耐久性を目指したいと考えます。耐久性で最も大事なのは、湿度による腐敗から守ることです。それにはいかに風通しを良くするかが問題です。室内のみならず、土台廻り・壁の中・小屋裏等構造体への配慮が必要です。風通しを良くすれば部屋の中が寒くなる(冬)と矛盾が生じるようですが、その解決策もあります。また火による被害や、地震による倒壊からも守らなければなりません。建物は本来人より長生きです。安易に巨大なゴミ(特に産業廃棄物)にしてはならないはずです。また、その時期が来ても自然に帰るよう出来るだけ石油化学製品に頼らず、天然素材で造る努力も必要です。これからは、その建物の使命が終わった後のことも考える必要があると思います。これもエコロジ−の一つです。

このように、自然の力を使うことはまず生活の経費削減であると共に、環境保全にもつながります。また、都市の消費エネルギ−を削減し、地球温暖化防止の一助にもなります。
ちょっと大げさかも知れませんが、「人と地球にやさしい家造り」などといえると思います。空樂は、「住む人の本当の暮らしやすさ」をまじめに考え造ることで、その結果、地域・都市そして地球へ小さいながらも貢献していると思いますし、これからもそうして行きたいと考えてます。

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